日本は世界的にみて災害が多い国と言われています。いつ来るか分からない地震や台風はとても恐ろしいものですね。
最近では南海トラフ地震の発生確率(30年以内に80%)が引き上げられて、さらに災害に対する緊張感が高まりつつある昨今。
みなさんの心の中の防災意識がより強くなったのではないでしょうか。
そこで今回はキャンプと防災の話です!
普段何気に楽しんでいるキャンプの技術やキャンプ道具は災害時にとっても役に立つのです!
災害時に生きるために必要な条件や災害時に役立つスキルやキャンプ道具、また災害が起きるまでにできることなどまとめました。最後まで読んでもらえたら嬉しいです。
この記事を見てわかること
- サバイバルの3つの法則
- 災害時に役立つアウトドアスキル
- 避難時に役立つキャンプ道具について
- 災害が起きたその時までに私たちができること

キャンプとは生きる力そのもの!
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覚えておきたい!サバイバルの3の法則
災害時に人が生きていくために必要な最低限の条件を知っていますか。
アウトドア界ではよく知られている「サバイバルの3の法則」というのがあり、人が生きるために必要な要素をわかりすく説明したものです。
いずれも時間的、日数的に「3」とう数字が大きく関わってくるので3の法則と呼ばれているそうです。
サバイバルの3の法則
- 空気 = 3分 →人は空気なしでは3分間しか生きられない
- 体温 =3時間 →人は適切な体温を維持しなければ3時間しか生きられない
- 水分 =3日 →人は水分補給をしなければ3日しか生きられない
- 食料=30日 →人は食べるものがなければ30日間しか生きられない
つまり、人は体温を維持するために服を着て家に住み、喉が乾いたら水分補給して、お腹が減ったら食料を食べて生きているのです。
僕たちが生き続けているのはこれらの条件を常にクリアしているからということ。
しかし災害が起きた時に全ての条件が満たすとは限りません。
災害によってライフラインが途絶えた場合は飲み水や食料の確保が必要ですし、さらに住居に甚大な被害が出た場合は雨や風から身を守る場所も確保しなければならない。



当たり前のことが当たり前ではなくなるのが災害の恐ろしいところ
家が住めない状態になって避難所にも入れない時に、外で生きるためには雨風を防げるようなシェルターに入り、体温を維持しながら食料と水分を補給しなければいけない。
これよーーく考えるともうキャンプと同じことなんですよね!
ですから普段のアウトドア体験やキャンプ泊がすでに防災のスキルと直結していると言えるのです。
それでは実際にどんなスキルが災害時に役に立つのか具体的にみていきましょう。



キャンプの知識が防災に繋がる!
災害時に役に立つアウトドアスキル


火起こしの技術
火起こしの技術があれば電気やガスに頼ることなく熱源を確保できます。
キャンプ道具を持っていれば焚き火台から燃料を燃やすこともできるので結果的に暖かい食事を作ることも可能に。
焚き火の効果
- あたたかい食事を作る
- 体温の保持(暖をとる)
- 濡れた衣類の乾燥
- リラックス効果を得る
しかし、火起こしの燃料の代表例といれば薪や木炭ですが、災害時に常にストックしてあるような燃料ではありませんよね。
ここで言う「火起こしの技術」というのは単に火を起こすだけではなく身近なものを使って確実に火をつける技術のことを言います。
自然にあるものを着火剤として火を起こす方法がありますが実際にどのような素材なのでしょうか。
火起こしに役に立つ素材
- 松ぼっくり
- 乾燥した小枝
- 松や杉、白樺の樹皮
- 乾燥した枯れ葉
自然の中にあるもので何が燃えやすいかを知っていればいざとなった時にその知識が役に立ちます。
とはいえ、都心部に住んでいる人で周りに自然がない場合はこうした自然の素材を入手困難な方もいるでしょう。
そんな時は自宅にあるものでも火起こしの着火剤として代用できるものはたくさんあります。
次の通りです。
自宅にある火起こしに役立つ素材
- 新聞紙
- 牛乳パック
- 麻ひも
- 割り箸
- 段ボール



普段から燃料素材として一定量保管しておくのをおすすめします
ガスや電気がないところで焚き火をするのはキャンプでは当たり前のことかもしれませんが、実際に経験したことがない人に比べるとスマートに火を起こせるというのは非常に頼もしいスキルといえます。
そして火の扱いに慣れているということは安全に焚き火することができる技術を合わせ持っているということです。
野外炊飯スキル
炊飯器を使わずにおいしい炊きたてのご飯を作れること。これはとても重要なスキルです。
災害時は冷たいおにぎりやお弁当を配給されることがよくあると思いますが甚大な災害が起こった場合、その配給は地震が発生してから何日後になるのかわかりませんし、もし避難所に備蓄され食料があったとしても限りがあり期待はできない。
あらかじめ用意しておいた災害用の食料を食べるか、用意していない人はなんとか食料を確保しなければなりません。
一般的には災害用の食料は火を使わなくても食べられるものが基本であり、それは冷たい食事なのです。
災害が与える不安から来る強いストレスの中、ほんの少しの安らぎがあるとすれば温かい食事を食べることではないでしょうか。
野外炊飯スキルがあればキャンプ道具を使っておいしい炊きたてのご飯や缶詰を温めるなど簡単に温かい食事を食べることができるのです。
キャンプ経験がもたらす野外炊飯のメリットまとめました。
一般的に野外炊飯はお米を炊くスキルですが、ここでいう野外炊飯スキルとは外で温かい食事を作れることを意味します
野外炊飯スキルのメリット
- お米を炊く、温かい食事を作れる
- 災害時に役に立つキャンプ飯を作れる
- 温かい食事は精神的な安らぎや生きる活力を与える
外で食事を作るための道具は全てキャンプ道具で揃っているのは災害時にとても役に立ちます。
災害時に役に立つポリ袋調理や缶詰を使った簡単なレシピもあるので防災訓練をかねてチャレンジするのもいいですね!



野外炊飯はキャンプの基本!災害時に必ず役に立ちます
テントやタープ設営のスキル


災害で住居に甚大な被害がある場合は避難所で集団生活をすることになると思いますが、避難所では人数の制限もあり高齢の方など利用を優先するべき人もいます。
そこでキャンプで普段使っているテントが避難所にもなり住居の代わりとして役に立つのです。
災害時のテント・タープ設営のメリット
- テントはプライバシーの確保ができる
- タープがあれば雨や日射しを防げる
- 感染症予防にも効果的
- エコノミークラス症候群の予防
- ペットと一緒に避難ができる
避難所での集団避難生活はどうしても人目がつくのでプライバシーの確保が難しいです。
そこでテントがあればプライバシーが確保できるので精神的ストレスも緩和されます。
また狭い空間で何日間も過ごしているとエコノミークラス症候群にもなる可能性もありテントがあればゆったり過ごすこともできるので体への負担も軽減されます。



特にペットと一緒に過ごせるのは大きなメリットだね
しかし、テントを設営して避難する場合はデメリットも存在します。
災害時のテント・タープ設営のデメリット
- テント設営ができるスペースの確保がいる
- どこでも設営できるわけではない
- テント本体を運びながら移動は大変
避難する時はテントだけではなくその他のキャンプ道具の搬入も必要です。
少しづつ搬入していくこともできますがテント設営場所から遠い時は往復が大変です。
対策があるとすればアウトドアワゴンを使って最低限必要な道具を運べば負担が軽減されます。


災害時に役立つキャンプ道具



災害時に役に立つキャンプ道具を具体的にご説明します。
アウトドアウェア


アウトドアウェアは野外活動をするために設計されているので動きやすく丈夫な作りをしています。
また一般的な洋服に比べて機能的な役割があり災害時に必ず役に立ちます。
アウトドアウェアの特徴
- 撥水性能や速乾性能がある
- 防水浸透性【ゴアテックス等 】
- 保温性がありので防寒に適している
- 防風性
- 防臭性(メリノウール素材等)
アウトドアウェアはインナーウェアからミドルレイヤー、アウターまで身体のさまざまな箇所で最適な役割を果たしてくれます。
例えば一般的なレインコートは水を弾くことができても通気性がないので汗がベタついて不快な気持ちになりますよね。
そこで防水浸透性に優れた素材のゴアテックスは汗をうまく逃すことができるので水をはじきながら快適な状態を保つことができます。
アウトドアウェアは機能的でありかつコンパクトになるものが多いので災害時に持ち出すときもかさばりません。



災害時は着替えられない日が続くので防臭性があるアウトドアウェアは必ず重宝します!
ランタン


災害時、停電になった時に照明の代わりになるのがランタン。
ランタンには様々な種類がありますが災害時はコンパクトで明るく機能的なLEDランタンがおすすめです。
アウトドアランタンの種類と特徴
- LEDランタン
➡︎ 省電力なのに圧倒的に明るく、防滴機能や充電機能があるなど機能的で室内でも使用可能。 - ガス・オイルランタン
➡︎ 燃焼しながら発光するので主に外での使用。熱を帯びるので暖を取ることはできるが燃料が必要。 - ソーラーランタン
➡︎電池いらずのランタン。ペタンコに収納できるので持ち運びも◎ - ヘッドライト
➡︎ 両手が開くので手元の作業がしやすい。充電式や電池式がありLEDが主流。



明かりがあることで暗闇の不安が解消されます。
災害時は太陽光で蓄電できるソーラーランタンも注目されています!
ソーラーランタン「キャリーザサン」は収納時は厚さ約1センチでコンパクト
太陽充電6時間で約10〜13時間点灯可能です


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アウトドアバーナー・カセットコンロ


ガスや電気が止まった時に役に立つのがバーナーやカセットコンロです。
調理に使う重要な熱源となり、災害時に温かい食事を作るために必要な道具です。
それぞれの特徴について
アウトドアバーナーとカセットコンロの特徴
- アウトドアバーナー
シングルサイズであれば軽量コンパクトなので荷物にならない。外で使うために特化している - カセットコンロ
自宅にあるので買う手間がない。しっかりした土台があるので安定するがその分荷物になる。
クッカーセット


アウトドアで使うクッカーセットは料理の鍋やフライパンとして使えるだけではなくフタをお皿としても使用できるタイプもあります。
クッカーセットには水の分量を測る目盛り付きのタイプもあるので貴重な水を無駄なく使うことができます。
またスタッキング(積み重ねて収納)が可能なので災害時にコンパクトにまとめて運ぶことができます。



クッカーセットがないと料理もできずお湯すらも沸かせない


テント
在宅避難ができない場合にテントは住居の代わりになりとても重宝します。
テントは雨や風をしのぐ役割だけではなく、寒い季節ならテントの中にいる人の体温だけでも暖かくなる効果が期待できます。
テントはペットと一緒に避難できるメリットもあります。ペットと一緒に過ごせる避難所は少ないのでテントがあれば周りを気にすることなく一緒に避難生活を送れます。
そして避難所で生活することになってもテントが不要になるわけではありません。
避難所でもテントは活躍します!
- 人目を気にすることなく過ごせる
- プライバシーを確保しているので着替えもできる
- 睡眠時もゆっくり休むことができる
避難所のスペースでも設営できるような小型のテントが条件です。
寝袋・コット
寝袋(シュラフ)はコンパクトに収納できるので布団を持ち込むよりも遥かに軽量でかさばらないので重宝します。
身体を包み込む寝袋は体温を極力逃さないので災害時の睡眠を快適にサポートしてくれます。
またコットがあれば地面から離れている分、下から来る冷気を和らげることができます。





コットの下の空いたスペースに荷物をおけばスペースの確保と下から冷気も防げます。
キャンプマット
寝袋の下にキャンプマットがあればクッション性があるのでより快適に眠ることができ、さらに地面からの冷気を和らげる効果があるので寝袋とキャンプマットは必ずセットで持参するアイテムです。
ポータブル電源


電気の代わりになるポータブル電源は電気が復旧するまでの貴重な存在です。災害時の情報収集はとても大切なので特にスマートフォンの充電時にとても重宝します。
モバイルバッテリーでも充電は可能ですが軽くて小さい分、蓄電容量が少ないのがデメリット。
ポータブル電源はスマホの充電くらいなら全く影響がないくらいの容量があるので安心です。
災害時のポータブル電源の役割
- スマホ・ラジオなどの情報収集源の充電
- LEDランタンなどの照明器具の充電
- 家電製品の使用が可能(電気毛布や扇風機など)
その他のあると便利なキャンプ道具



その他災害時にあれば便利なキャンプ道具を紹介します。
あると便利なキャンプ道具
- クーラーボックス
➡︎ 食材を保管する。氷などで保冷ができれば冷蔵庫の代わりとして機能。 - 焚き火台
➡︎ 調理の熱源や暖房の代わりになる。 - ウォータータンク
➡︎ 蛇口があるタイプなら貴重な水を無駄なく使うことができる - アウトドアチェア
➡︎ アウトドア用のイスはコンパクトで持ち運びしやすい - ミニテーブル(小さいソロ用)
➡︎食事の時のお皿など地面に置きたくないものがある時に何かと役に立つ - アウトドアワゴン
➡︎荷物の運搬時に役に立つ
その時までに私たちができること
災害は予想できずに突然起こるものであり住んでいる地域によっても頻度は異なります。
いずれにせよ災害がくるその日までに最低限の準備をしておくことが必要です。



細かい準備はたくさんありますが私たちが普段の生活の中でできる備えを3つご紹介します。
家族内の安否確認方法を決めておく
災害が起きた時に真っ先に頭に浮かぶことは家族の安否や安全な場所にいるかどうかだと思います。
早く知りたくて電話をかけても通信規制がかかり通常通りに通話ができない可能性もあります。
そこで一刻も早く安否を確認するために共通の集合場所をあらかじめ決めておく必要があります。
しかし、会社や学校や施設などによっては災害が起こった際にその場から離れられない可能性があります。あらかじめ所属するコミュニティーの災害時対応マニュアルを確認しておきましょう。



連絡が取れない時は災害用伝言ダイヤルというサービスがあります
災害用伝言ダイヤル(171)を活用する!


伝言ダイヤルは通信が混雑した時に家族や知人に安否を早く知らせるために各通信社が無料で提供してくれるサービスです。
【災害伝言サービス】
- 災害伝言ダイヤル(171)
- 災害伝言板
- 災害伝言板(WEB171)
詳しい利用方法は総務省のホームページに記載されています。
食料の備蓄!(最低でも3日、できれば1週間分)
災害後の国からの支援物資が届くまでの日数は3日かかると言われています。
しかし想定外の大地震など甚大な被害があった場合は物資到着までに1週間以上かかることもあるので国の推奨は1週間以上の備蓄が必要と言われています。
最低限3日分の食料の目安(大人1人分想定)
- 飲料水 9リットル
➡️調理用と飲料用で1日3リットル - 米 4.5合
➡︎1食0.5合(75g)として - レトルト食品(カレー・牛丼 ・など)
- 缶詰類 6缶 (肉・魚・タンパク質類)
- 野菜ジュース 3本
- インスタント味噌汁・即席スープ 9食分
- 調味料 (麺つゆ、塩 、醤油、砂糖など)



あくまでも3日分の目安です。カップ麺、パスタやそうめんも保存がきくのでおすすめです!
ローリングストックで普段の生活から備蓄を意識しよう!


ローリングストックとは
普段買う食材や保存食を少し多めに買っておいて古いものから消費して使った分を買い足す備蓄方法。
ローリングストックをすれば一定量の備蓄を確保することができるうえに、備蓄食料の管理がしやすくなり、加えて普段の生活の中で防災がより身近なものと感じることができるのもメリット。
防災キャンプ
避難生活を疑似体験するのが防災キャンプです。
いつものキャンプとは違う災害時を想定したキャンプを実施する言わば避難訓練のようなものです。
防災キャンプのメリット
- 疑似体験によりスキルや知識が身につく
- 実際に必要な食料や飲料水の目安がわかる
- 必要最低限の道具をあらかじめ知ることができる
- 落ち着いた避難生活を送ることができる
ポリ袋を使ってお米を炊いてみたり、缶詰を使った料理など防災クッキングに挑戦するのも



キャンプ経験がある人は友人知人も交えて楽しみながらみんなで防災キャンプをするのもアリです。
まとめ
今回はキャンプと防災のお話でした。
初心者キャンパー、ベテランキャンパー問わずにキャンプの経験がある人であればアウトドアで得た知識やスキルは必ず避難生活時に役に立ちます。
特に「火を起こす」「野外炊飯をする」「テントやタープをたてる」この3つのスキルは一度も経験したことがない人にとってはかなりハードな技術。こうした技術を自分のためだけではなく困っている人にも役立てることもできるのです。
またキャンプ道具があれば外で生活するために必要なものはだいたい揃っているので快適な避難生活を送ることもできます。



キャンプってただの趣味とかじゃなくて「生きる力そのもの!」とあらためて実感しました!
キャンプ人口がもっと増えれば!自主避難できる人も増える!避難所を必要とする人の役に立つ!=キャンプってすばらしい!
もっとたくさんの人がキャンプを始めればいいなぁ〜と願いつつ今回はここまでとなります!
長い記事になりましたが…。 最後までお読みいただきありがとうございました〜!
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