「キャンプ のベストシーズンは冬である」と冬キャンプを推す熟練キャンパーも多い。
極寒の冬キャンプを楽しむためにもっとも重要なことは「しっかり暖をとる」これに尽きます。
しっかり着込んで防寒し、焚き火の前で暖をとる。しかし、焚き火は基本的に外でおこなうのでテントの中ではできない。
そんな時にテント内で暖かく過ごす為に、ストーブの導入を考える人が多いと思います。
初めてのストーブ導入を考えた時にこんな疑問、思い浮かびませんか。

テントの中で使うストーブって色々種類があるし、正直何を選んでいいかわからない。高そうだし失敗はしたくないな〜。



初めて使うなら断然に石油ストーブがおすすめ!



石油ストーブねぇ〜。
テントの中でも安全なのかな?灯油を運んだり何かと面倒なイメージ…



おすすめ理由は9つ!安全に使用するための注意点やあると便利なギアも紹介するよ
この記事を見てわかること
- 石油ストーブをおすすめする9つの理由
- キャンプのストーブの種類
- 石油ストーブ使用時の注意点
- あれば便利な周辺ギアを紹介
初心者が最初に選ぶべきストーブは「石油ストーブ」です!その理由とは?
それではいきましょう!




キャンプで使用するストーブの種類
キャンプで使用するストーブは大きく分けて3つあります。
ストーブの種類
- 薪ストーブ
- ガスストーブ
- 石油ストーブ



9つの理由を説明する前に一般的なストーブの種類から先に説明します
①薪ストーブ


薪を燃やして暖をとる薪ストーブ。
火窓から見える炎をテントの中で楽しむことができるロマン溢れるキャンプギアのひとつ。
まさに冬キャンプ暖房器具界の王様のような存在です。
圧倒的な火力とオシャレなルックスが人気の薪ストーブですが、最初の暖房器具としては少しハードルが高い暖房器具だと言えます。
その理由は次の通り。
薪ストーブのハードルが高い理由
- 煙突を安全に出す専用設計のテントが必要
- 薪が燃料なのでコスパが悪い
- 薪を小さく割る手間がある
- 完全着火に時間がかかる
- 使用後の各パーツのメンテナンスは必須
薪ストーブだけ購入しても煙突を出すテントがなければ使用することもできないのです。



薪ストーブは手間がかかるのも魅力のひとつだけど初心者では扱いが難しそう。
②ガスストーブ


カセットボンベ(CB缶)を使用するガスストーブ。
CB缶は他の燃料に比べて比較的売っているお店が多いので調達に困らないし、着火が手軽で持ち運びに便利なコンパクトボディも魅力。
そんな手軽さが売りのガスストーブは初めての暖房にぜひおすすめしたい、、、、、、、、、、!?
と言いたいところですが。
強くおすすめはできません。なぜならガスボンベを燃料とすることによるデメリットが存在するからです。
冬キャンプにガスストーブをおすすめできない理由
- 他に比べ暖房効果は弱め
- 気温が低いとガスボンベは気化しにくくなる
- ガスボンベの連続燃焼時間は短い(その都度交換する必要がある)
コンパクトなボディ設計であるが故に火力は弱く。ガスボンベは長時間使用できないということなのです。



気温が低いとガスボンベが気化しにくくなる?どうゆうこと?



連続使用しているうちにボンベの中の液体が気化して、熱を奪い続けるからボンベ自体が冷たくなって火力が弱くなるんだ
③石油ストーブ


石油(灯油)を燃料とする家庭でもおなじみのストーブ。
ここまでは2つのストーブの紹介をしていき、初めてのストーブにはオススメしない理由をご説明しました。
それではこのあと、石油ストーブをオススメする理由を9つに分けて説明します。



石油ストーブのデメリットやあると便利なキャンプギアもご紹介します!
石油ストーブをオススメする9つの理由


石油ストーブをオススメする理由は9つあります。
石油ストーブをオススメする9つの理由
- 燃料費が安い
- ワンタッチですぐ着火
- 火の管理なし!長時間そのままでオッケー
- 簡単な熱調理もできる
- 安全装置がついているので安心
- 朝のテントの内側の乾燥にも活躍
- 片付けラクチン手間いらず
- 自宅でも使える
- 災害時にも大活躍
まこさん愛用のストーブ「トヨトミ 石油ストーブ ギヤミッション」無骨なデザインに一目惚れ


①燃料費が安い
石油ストーブは薪ストーブに比べて燃焼効率が良いので燃費も良く燃料代も安い!



1泊2日のキャンプの使用量や燃料代で比較すると下の表のようにコスパが良いことがわかります
1泊2日として | 石油ストーブ | 薪ストーブ |
使用量 | 5リットルから10リットル | 2束から3束以上 |
燃料代 | 630円から1250円 | 約2000円〜3000円(3束の場合) |
備考 | 1ℓあたり125円として | 1束1000円として |
一般的にキャンプで使う石油ストーブのタンク容量はおおよそ5リットルから6.3リットルなので朝から晩まで一日中つけない限り10リットルも使うことはありません。
10リットル使ったとしても石油ストーブは薪ストーブに比べて使用量が少なく、燃料代も安いことがわかります。



夕方から使って寝る前に消しても十分使えるよ
②ワンタッチですぐ着火


レバーを押したり、ダイヤルを回したりするだけで一瞬で点火!
その場でかじかんだ手をすぐに温めることができるのです!
薪ストーブの場合は組み立てや薪を燃やすにはどうしても時間がかかります。石油ストーブとでは明らかなスピードの差があります。



極寒の冬キャンプでは即座に「暖」をとることが一番ありがたいことなのです。
③火の管理なし!長時間そのままでオッケー


薪ストーブは薪を燃やし続けるために薪を追加する必要があり、安全面においても火の管理がとても重要で常に気をつけなければなりません。
ガスストーブも火の管理は不要ですがガスボンベの容量が少ないので長時間使用すると定期的にボンベを交換する手間があります。
その点、石油ストーブは一度点火したら炎が安定して燃焼するので長時間ほったらかしでオッケー。
④簡単な熱調理もできる


石油ストーブの天板の熱を利用して料理を温めたりできます!
料理するためのコンロの熱源は限られているため、先に作った料理を放置すると冷めてしまうなんてありがち。



特に寒い季節はすぐに冷めてしまいます
石油ストーブは冬のキャンプの貴重な熱源のひとつとしても大活躍!
お湯を沸かしてコーヒーを飲んだり、鍋物の保温もできるのでいつでもホカホカのキャンプ飯が食べれます。



ストーブの天板の熱を利用して「やきいも」も作れます。


⑤安全装置がついているので安心
石油ストーブには強い振動や衝撃を検知した時に自動で消化してくれる安全装置があります。
テントの中で移動中にうっかりストーブに足をぶつけてしまうことがあります。そんな時に素早く自動消化してくれるので安心。
薪ストーブには安全装置はついていません。さらに言うと薪ストーブそのもの自体が高熱になっているので火傷のリスクも高い。
その点、石油ストーブは燃焼筒がストーブガードで守られているので火傷のリスクも軽減され薪ストーブよりも安全性が高いと言えます。
⑥朝のテントの内側の乾燥にも活躍!



朝のテントの乾燥?



テントの中と外の温度差によって生じる結露が原因でテントの内側が濡れてしまうんだ
朝起きてインナーテントから出ると「ポタポタ」と天井から水滴が落ちてくる。テントの内側は結露でびしょ濡れ…!
朝の撤収作業までの忙しい時間にテントの内側をタオルでふいたりするのはものすごく面倒ですよね。
そこで石油ストーブの出番!
石油ストーブを使えばテントの内側から温度を上昇させて内側の乾燥作業の効率が上がって便利です!



濡れたテントをそのままにするとカビ発生の原因になるのでしっかり乾燥しておきましょう!
⑦片付けラクチン手間いらず!


寒い朝、薪ストーブで暖をとる場合は薪を燃やす必要があり、使用後は薪ストーブの中の灰の清掃など朝から何かと時間と手間がかかってしまいます。
石油ストーブなら消火後に余熱がなくなるまで待ってからケースに収納するだけで完了!
片付けの手間がありません。



朝の撤収は時間との戦い!石油ストーブなら片付けに時間はかからない!
⑧自宅でも使える


石油ストーブはキャンプだけではなく自宅でも使えます!
キャンプで使用した場合、燃料(灯油)が余ってしまうのがよくあるパターンですが
夏に灯油を保管しておくのは絶対危険なので全て使い切るのが理想的。
もし燃料が余った場合は自宅で使用して使いきれば燃料も無駄にならないし処分にも困らないわけです。



忙しくてキャンプにいけなくても家でも使えるから買って損はありません
⑨災害時にも活躍
電源がいらない石油ストーブは場所を選ばずに使用できるので災害時でも役にたちます。
キャンプや災害時だけではなくお祭りや野外イベントなど、さまざまな場所で活躍するのです。



いつ来るかわからない災害…。キャンプ用品は防災でも活躍するのでしっかり備えましょう!



石油ストーブは初心者に優しい要素がたくさんあって使いやすそう!
以上の理由から初心者の方が最初に買う暖房器具は石油ストーブをおすすめします。



薪ストーブよりも安全なのはわかったけど、石油ストーブって本当に安全に使えるのかな?



ストーブを安全に使うための注意点や石油ストーブのデメリットも説明するね
石油ストーブの使用時の注意点とデメリット
今更ですが、石油ストーブをテント内で使用することは基本的にメーカーが推奨しているわけではありません。
テントの中で使うなら各個人が安全管理を徹底した上で使用し、何かあれば完全に自己責任になるということです。



安全に使用するために最低限の知識をおさえておく必要があるんだ!



なんだか急に怖くなってきたぞ
【注意点】一酸化炭素中毒の危険性がある
一酸化炭素中毒は換気が十分でない空間でストーブを使用した時に空気中の酸素が減っていくことで不完全燃焼が起きる現象。
空気中の一酸化炭素の濃度が高まると、「めまい、頭痛、吐き気」などの症状からはじまり場合によっては死に至ります。
さらに無色無臭だから中毒症状が出るまで気づきにくい…



シニイタル…



ちゃんと対策すればそれほど怖くないから大丈夫!
一酸化炭素中毒にならないための対策は2つあります。
対策①トップベンチレーター(上部通気口)を開けておく


テントにベンチレーターがある人は必ず開けておきましょう。
ベンチレーターはテント上部に設けられている通気口のこと。外の空気を取り入れることでテント内の空気を入れ換えることができる。
対策② 一酸化炭素チェッカー


空気中の一酸化炭素がある一定の濃度を超えた時に大きなアラーム音や光によって知らせてくれる検知機です。
通気口を開けて十分な換気をしていても一酸化炭素中毒になる危険性はゼロでは無いため最低でも1台は用意しておく必要があります。
石油ストーブだけに限らず薪ストーブやガスストーブも同等のリスクがあるので暖房器具を使う場合の必需品です。



一酸化炭素チェッカーを持っていけばより安心で安全なキャンプを過ごすことができるのです
最近ではかわいいデザインの一酸化炭素チェッカーも…




【注意点】火災の危険


ストーブは常に火災の危険が伴う暖房器具です。
たとえ外であってもテント内の限られた空間の中で使用する場合は火災リスクがグッと高まります。
常に火災と隣り合わせであることを十分理解した上でできるだけ火災リスクを減らして使用するように心がけましょう。
火災を起こさないためのチェックポイント
- テントとストーブの距離は十分か
- ストーブ天板の上に可燃物は置いていないか
- 燃えるようなものが近くにないか
- ストーブの下にフロアシートなど敷いていないか
- ストーブ調理中にそのまま放置していないか
- ストーブは傾いていないか(水平を保っているのか)
【注意点】寝るときは必ず消火して寝る


寝るときは必ず消化して寝ましょう。
ストーブをつけて寝ると一酸化炭素中毒と火災リスクのダブルパンチです。
一酸化炭素チェッカーあれば大丈夫と思うかも知れませんが、必ずしも警報が鳴る補償はどこにもない
ましてや火災は一酸化炭素チェッカーで防ぐことはできません。



ストーブ消したら寒くて眠れないかも



ストーブがなくても暖をとる対策を紹介するよ
【寒さ対策】湯たんぽ


湯たんぽを侮ってはいけません!寝る前に寝袋の中に入れておくだけでかなりポッカポカに!
湯たんぽは寝る前に写真のようにストーブの天板に乗せておけば簡単に沸騰するので火を使う手間もなくお手軽。
おすすめはマルカの湯たんぽ。I H対応なのでので自宅のI Hコンロでも使えるので便利。







電源不要だから災害時でも役に立ちそう!
【寒さ対策】電気毛布


電気毛布は就寝時の必須アイテム!
湯たんぽは低温やけどを防ぐために寝るときは寝袋から出すのが基本。
その点、電気毛布は温度調節機能があるのでちょうど自分にあった温度管理ができるので重宝します。



僕は湯たんぽと電気毛布ダブルで使ってます


電気毛布は各メーカーありますが、個人的にはニトリのNウォームがおすすめです。
Nウォームなので毛布としてもあたたくて優秀。家でも使ってます。



そういえば電気毛布の電気はどこからとるの?



電源付きキャンプサイトがあればサイトの電源ボックスで取れるけどない場合はポータブル電源が必要になるね


ボックスからテントまで距離があるので野外用の延長電気ケーブルも忘れずに!


キャンプサイトに電源がない場合はポータプル電源があれば使用可能に。







スマホの充電やその他のギアの充電も可能なので1台あればとても便利


続きまして石油ストーブのデメリットについてお伝えします。
【デメリット】積載時にとにかくかさばる


石油ストーブは組み立てる必要がなくケースから出してそのまますぐに使えるのがメリットですが、その分コンパクトにはなりません。
車に積載した時はとにかく場所をとるのがネック。もっと言えば運搬には車が必要でオートキャンパーしか利用できません。



冬キャンプの荷物が多い悩みのひとつは石油ストーブ
【デメリット】天板が汚れる


天板の上で料理をした際に焦げついたり、吹きこぼれなどで天板が汚れてしまうことがあります。
キレイな状態を保つためには適度なタイミングで清掃が必要です。
天板掃除については過去記事を参考にしてください





灯油用ポリタンク(18ℓ)も持っていくからもっとかさばりそうだ…





18ℓタンクよりも小さいポリタンクもあるよ
石油ストーブ使用時にあると便利なもの
石油ストーブ使用時に便利なものをご紹介します。
小さめサイズの燃料タンク


一般的な18リットルの燃料タンクだとサイズも大きく車載時はとてもかさばり、燃料もそこまで必要ない。
そこで上の写真の燃料タンクが10Lくらいの容量で使い切るのにちょうどいいのです。
僕のおすすめはドイツのメーカー「ヒューナースドルフ」の燃料タンク。オリーブカラーが渋くてかっこいい。





付属のホースでは注入しにくいのでシュポシュポ(注油ポンプ)も忘れずに!


ストーブの置き台


ストーブを地面に直接置くよりも台の上に置いた方が断然にオススメです。
台の上に置いた方がいい理由
- 地面に置くとストーブの底部分が汚れる
- 急な豪雨で水たまりができた時に底が濡れない
- 安定して設置することができる(転倒リスク軽減)
ストーブ用のコースターもありますがスノコでも問題ありません。



僕はホームセンターで売っているプランター用の木の台を使ってます。
ストーブファン


写真のような対流型ストーブは熱気が上部にあがってしまうので
ストーブファンを天板に置いておけば空気が循環され暖房効率が上がるのです。いわゆるサーキュレーターと同じ役割。



電池も不要なのでとってもエコ!
最近では首振りタイプも出ています。




石油ストーブを導入して安全に冬キャンプを楽しもう!


今回は初めてのストーブ購入を検討している人に向けて石油ストーブをオススメする理由についてお伝えしました。
冬のキャンプは過酷な寒さにより間違えれば命を落とす危険も伴います。僕自身も寒いのはほんとうに苦手…。(夏も苦手)
そこまでしてキャンプしますか…。と思うかも知れません。
冬キャンプの良さとは?
- 満天の星空が驚くほどキレイ
- あたたかい料理が最高にうまい
- 焚き火の温もりのありがたさを感じられる
- 虫がいない
外であたたかいキャンプめしを食べ、焚き火にあたり、満天の星空を眺める。それだけで心が満たされる。
大事なことだから何回も言いますが
冬のキャンプを楽しくするのは「暖」をとること!これがないと楽しいと感じることはできない!
「暖」をとるための手段として石油ストーブの導入は初心者の方にとって一番入りやすい暖房器具と言えるでしょう。
しかし、使用時に伴う火災や一酸化中毒などのリスクをしっかり理解する必要があります。
この記事を見て石油ストーブを正しく使って安全にキャンプを楽しんでいただければ嬉しいです!



石油ストーブで楽しい冬キャンプデビューしちゃおうかな!



その顔が見たかった笑
最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまたお会いしましょう!
コメント